SSQ.AISSQ.AI

ソブリン・セキュリティAIの実現に向けた研究開発

R&D for Sovereign Security AI

AI・セキュリティ技術、知識の活用、専門家の成長、人とAIの協働を研究します。

AIとセキュリティの技術を研究し、専門家とAIがより良く働くための知識基盤、ツール、協働環境を開発します。モデルの能力だけに頼らない技術と専門性を蓄積し、さまざまな環境でセキュリティ業務の品質と効率を高めることを目指します。

何を研究し、何をつくっているのか?

6つの独立した分野を研究し、その成果をセキュリティ業務に使う技術とツールにします。

確認済み

PEOPLE + AI AGENTS 人・知識・協働 COLLAB KNOWLEDGE MODEL AGENT AIモデル・エージェント EXPLOIT INTEL セキュリティ インテリジェンス・検証
6つの分野は一つの円の上に同じ重みで並び、中心の人とAIエージェントがその成果をともに使います。

3つの大分類、6つの独立した研究分野

大分類は、研究内容を理解しやすくするための整理です。組織の序列、開発の順序、分野間の連携を制限するものではありません。KNOWLEDGEは独立した研究分野であると同時に、他の5分野にも使われる共通基盤です。

COLLAB · KNOWLEDGE

人・知識・協働

専門家の能力と複数の人・AIの協働を発展させ、必要な場面で知識を活用できる技術を開発します。

MODEL · AGENT

AIモデル・エージェント

AIモデルの能力と実用性を高め、知識とツールを使って実際の業務を遂行するシステムを開発します。

INTEL · EXPLOIT

セキュリティインテリジェンス・検証

外部への露出と攻撃対象領域を分析し、システムの脆弱性と実際の影響を検証する技術を研究します。

  • COLLAB人とAIの協働People & AI Collaboration

    専門家がより深く分析し、より的確に判断するための方法を研究します。複数の人とAIエージェントが役割や作業の背景を共有し、調整・レビュー・引き継ぎを行いながら協働できるフレームワークと環境を開発します。

    主な研究課題
    専門家の学習・判断・業務遂行の方法、チームの役割分担、共同作業空間、文脈の共有、レビューと引き継ぎ、協働の効果測定。
    他分野との関係
    人とチームの働き方が中心です。エージェントの実行基盤はAGENT、知識の収集・加工・提供はKNOWLEDGEと連携して扱います。
    関連サービス
    人とAIのセキュリティ能力向上
    セキュリティ・AIの個別開発
  • KNOWLEDGE知識基盤Knowledge Infrastructure

    専門知識と経験の収集・加工・管理から提供・活用まで、全過程を研究します。人、AIエージェント、モデルが必要な知識を目的や環境に応じて利用できるよう、提供方法、連携技術、フレームワーク、システムを開発します。

    主な研究課題
    収集・整備・構造化・検証、出典・権限・バージョン管理、検索と文脈の構成、知識・スキルの提供、API・システム連携、活用の評価とフィードバック。
    他分野との関係
    知識をどう使えるようにするかが中心です。学習によるモデルの重みへの反映はMODEL、エージェントによる業務の遂行はAGENTと分けて扱います。
    関連サービス
    人とAIのセキュリティ能力向上
    セキュリティ・AIの個別開発
  • MODELAIモデルエンジニアリングAI Model Engineering

    AIモデルの評価・学習・カスタマイズ・最適化、推論・運用技術を研究します。セキュリティ業務に適したモデルを改良し、必要な環境へ導入・カスタマイズ・運用しやすいローカルモデルや配備の仕組みも開発します。

    主な研究課題
    業務別のモデル評価、学習・適応、効率化と推論最適化、互換性と実行環境、ローカルへの導入・更新・運用、モデルの活用方法。
    他分野との関係
    モデルの能力と実行特性が中心です。モデル外の計画・ツール利用・実行制御はAGENT、学習・評価データの提供はKNOWLEDGEと連携して扱います。
    関連サービス
    AIエージェントの評価・改善
    セキュリティ・AIの個別開発
  • AGENTエージェンティックAIAgentic AI

    AIが目標に応じて計画を立て、知識やツールを使って業務を遂行し、結果を確認する技術を研究します。エージェントの実行・状態管理、作業の調整、権限と承認、結果の検証を支えるシステムを開発します。

    主な研究課題
    計画とツール利用、作業状態とメモリの活用、実行環境、エージェント間の業務遂行、承認・権限・中断・復旧、結果の評価。
    他分野との関係
    AIによる業務遂行の仕組みが中心です。複数の人が参加するチームの協働はCOLLAB、継続的な知識提供の基盤はKNOWLEDGEと連携します。
    関連サービス
    脆弱性診断・ペネトレーションテスト
    AIエージェントの評価・改善
    セキュリティ・AIの個別開発
  • INTELエクスポージャー・インテリジェンスExposure Intelligence

    インターネット上で観測される資産、サービス、アカウントなどの露出情報を収集し、攻撃対象領域の変化、履歴、関連性を分析します。関連する脅威情報も組み合わせ、セキュリティ診断、脅威調査、インシデント分析を支える技術とプラットフォームを開発します。

    主な研究課題
    外部観測情報の収集、資産・アカウント・情報の露出分析、攻撃対象領域の発見・追跡、履歴・関連性の分析、関連する脅威情報の活用。
    他分野との関係
    外部のセキュリティ情報の意味と関連性を分析する分野です。汎用的な知識提供はKNOWLEDGE、実際の悪用可能性の検証はEXPLOITと連携します。
    関連サービス
    エクスポージャー・インテリジェンス
  • EXPLOITオフェンシブエンジニアリングOffensive Engineering

    攻撃者の視点から、システムの脆弱性、悪用に必要な条件、実際の影響を分析・検証します。脆弱性研究と攻撃・防御技術を発展させ、分析・再現・検証のための専門ツールと試験環境を開発します。

    主な研究課題
    脆弱性の分析・再現、攻撃経路と悪用条件の確認、セキュリティ境界と保護の前提条件の検証、防御策の効果確認、専門的な分析・試験ツール。
    他分野との関係
    技術的なセキュリティ検証が中心です。外部観測情報の解釈はINTEL、業務の自動化と実行基盤はAGENTと連携して扱います。
    関連サービス
    脆弱性診断・ペネトレーションテスト
    レッドチーム・サイバーレジリエンス検証
    人とAIのセキュリティ能力向上

モデル自体と、その周囲にある知識・ツール・業務手順・協働の仕組みをともに改善します。

モデルの応答が良くても、エージェントが課題を正しく完了できるとは限りません。ツールと実行環境、権限、指示、検証の過程がともに機能する必要があるため、MODELとAGENTは別の分野として研究します。

COLLAB・KNOWLEDGE・MODEL・AGENTの技術は、セキュリティ以外の専門業務にも応用できます。

分野がともに使われる場面

各分野は独立した研究ですが、実際の課題では複数の分野がともに使われます。

  • セキュリティ向けローカルモデルを業務に導入

    MODELが適応・最適化し、KNOWLEDGEが許可された知識と評価データを提供します。AGENTが業務遂行につなぎ、EXPLOITが検証基準を、COLLABが専門家のレビューを加えます。

  • 複数の専門家とAIで脆弱性を調査

    COLLABは共同作業と引き継ぎ、AGENTは実行、EXPLOITは分析・検証を担います。INTELが外部の根拠を結び、KNOWLEDGEが再利用可能な知識を提供し、MODELがモデル技術を支えます。

  • 観測情報を分析サービスとして提供

    INTELが履歴と関連性を分析し、KNOWLEDGEが提供・連携技術を、AGENTが反復業務の遂行を、COLLABがレビューを支えます。悪用可能性の確認が必要な場合はEXPLOITと連携します。

範囲について

これらは分野間の連携を説明する例であり、特定の機能がすでに製品として提供されている、またはすべての案件に適用されるという意味ではありません。

研究分野は継続して発展させる能力を、サービスはお客様が依頼できる業務を示します。同じ技術が複数のサービスに使われることがあり、現場の経験から新たな研究課題が生まれます。

研究テーマと適用環境

研究分野をセキュリティの現場に活かす研究テーマと、そうした課題が生まれる環境です。

  • AI・LLM・エージェントセキュリティ

    AIモデルとエージェントサービスの攻撃対象領域を調べ、プロンプト攻撃やデータ漏えい、悪用に対応する方法を研究します。

  • ITシステムセキュリティ

    ウェブ・モバイル・API・クラウド・ネットワークなど、ITシステムの攻撃と防御を研究します。あらゆるテーマの土台となる基本です。

  • OT・物理システムのセキュリティ

    OT・ICS・IoT・ファームウェアからロボット・スマートカー・船舶まで、物理世界に接するシステムの脆弱性と安全への影響を研究します。

  • 高度な攻撃と防御

    ゼロデイ脆弱性を含め、高度な脅威に立ち向かう攻撃・防御の手法を研究します。

適用環境

  • Web・API・モバイル
  • 認証・権限(AD・LDAP・SSO)
  • サーバー・OS・ネットワーク・クラウド
  • AIエージェント
  • LLMサービス
  • OT・制御システム
  • IoT・組み込み・ファームウェア・ハードウェア
  • GPU・HPC

研究開発の組織

SAFE SQUAREの研究開発は、自社の二つの中核組織であるtty.linkとReturn-Oriented AI Labを中心に行われています。

CORE R&D

Return-Oriented AI Lab

Systems & Security Research

UNDERSTAND · CHALLENGE · REINVENT

Return-Oriented AI Labは、システムと技術の動作原理、構造と限界を深く探究します。脆弱性や攻撃・防御の技術にとどまらず、システムの内部構造やAIモデル・エージェントまで幅広く研究し、研究の問いはセキュリティの課題からも、システムの動作・性能・効率への関心からも始まります。

代表的な活動
脆弱性・攻撃・防御の研究
システムの内部構造・リバースエンジニアリング
AIモデル・エージェントの研究
技術的限界の検証・改善

業務を分ける分類ではなく、代表的な活動の例です。

COLLAB・KNOWLEDGE・MODEL・AGENT・INTEL・EXPLOITの6分野は、二つの組織で分担する領域ではなく、SAFE SQUARE全体でともに培う能力です。教育・訓練と評価、事業・運営を担うメンバーも、研究とその活用に参加しています。

違うのは出発点です

観点tty.linkReturn-Oriented AI Lab
主な出発点何をつくって、試せるだろうか?これはどう動き、どこまでできるのだろうか?
中心となる志向創作・制作・実装探究・分析・検証
共通の活動研究、開発、リバースエンジニアリング、実験、AIの活用、新しい技術の探索

異なる視点で探究し、ともに新しい可能性をつくります。

Return-Oriented AI Labとtty.linkは、それぞれの専門性と関心に基づいて、独立した研究開発を行っています。システムの原理を深く探究する研究と、自由な制作・実験は、互いに新しいアイデアと技術的な可能性をもたらしながら、ともに発展していきます。

原理と制約への理解は新しい設計と制作へ、つくって使う中で見つかった問題は新しい研究へとつながります。協力は双方向で、必要な課題で行います。すべての課題を共同プロジェクトにするわけではありません。

Return-Oriented AI Labの研究の考え方

UNDERSTAND

動作原理と構造を深く理解します。

CHALLENGE

既存の前提や設計、技術的な限界を疑い、検証します。

REINVENT

新しい視点とアプローチを見つけ、必要に応じて既存の技術を再構成し、改善します。

  • ハッカーの視点

    ここでいうハッカーの視点は、攻撃や防御という職務だけを指すものではありません。与えられた説明をそのまま受け入れず、内部の動作を自ら確かめ、当然とされてきた前提や想定外の使い方を検証する姿勢です。

  • 研究の対象であり手段でもあるAI

    AIモデルとエージェントそのものの原理・能力・限界を研究すると同時に、AIを分析・実験・検証・開発に積極的に活用します。AIの活用と研究はこの組織だけのものではなく、会社全体に開かれています。

  • なぜReturn-Orientedなのか

    名前はROP(Return-Oriented Programming)に着想を得ています。ROPは、プログラムのメモリにすでにある、リターン(ret)命令で終わる短い命令片をつなぎ合わせ、新しいコードを注入せずに、プログラムに本来意図されていない動作をさせる攻撃手法です。この組織はそこから、既存の要素を深く理解し、新しい方法でつなぐという考えを読み取り、研究の考え方へと広げました。名前に込めた比喩であり、ROPがシステムを改善する技術という意味ではありません。

    出典:H. Shacham, ACM CCS 2007

  • 成果のかたち

    原因を突き止めること、技術が想定と異なる動きをすると示すこと、新しい攻撃手法を実証することも研究成果です。すべての研究が製品や新しい実装につながる必要はありません。

ソブリン・セキュリティAIという方向は、一つの組織だけのものではありません。Return-Oriented AI Labの研究、tty.linkがつくるシステム、知識・学習・評価の取り組み、お客様の現場での経験がともに寄与します。ただし、すべての独立した研究やセキュリティ以外の制作が、その下位課題になるわけではありません。

研究が活きる場所

研究は、実際の課題で出会った問題だけでなく、技術への好奇心、システムの想定外の動き、新しいものづくりのアイデアからも始まります。成果は自社の技術・ツール・手法となってサービスやお客様との協働に使われ、現場の経験が次の研究の問いになります。

お客様は別の製品としてではなく、根拠のより明確な成果として受け取ります。

研究の方向と協働のあり方